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半合成繊維とは?

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半合成繊維とは?

半合成繊維とは、自然由来の成分を化学的に処理して作る繊維です。天然繊維と化学繊維の性質を備えているため、着るときは心地よく、加工がしやすい点がメリットです。

本記事では、半合成繊維とは何か、特徴と種類を解説します。

1、半合成繊維とは?

半合成繊維とは木材パルプなど天然原料を化学的に処理して作る繊維のことです。繊維は原材料や加工方法により以下の2種類に分類されます。

天然繊維:天然素材を主原料とした繊維で以下に分類される。

  • 植物繊維:綿や麻など
  • 動物繊維:ウールやシルクなど
  • 鉱物繊維:ガラス繊維など

化学繊維:製造過程で化学的処理を施し人工的に作られる高分子繊維。

  • 合成繊維:石油原料などから化学的合成したもの。ポリエステル、ナイロン、アクリルなど。
  • 再生繊維:素材に含まれるセルロースを一度溶かし、再度繊維に再生したもの。レーヨン、リヨセル、キュプラなど。
  • 半合成繊維:セルロースなどの原料に化学薬品を反応させて作った繊維。アセテート、プロミックスなど。

半合成繊維は、合成繊維のように完全に化学的に合成した素材から作るのではなく、自然由来の原料を使っている点が特徴です。

自然由来の繊維は風合いがゆたかな反面、そのままだと加工や使用が難しいという欠点があります。しかし、化学的に処理することで風合いを残しつつ、天然繊維の持つ弱点を克服できます。

2、半合成繊の特徴は?

半合成繊にはアセテートとプロミックスがありますが、どちらも加工がしやすく、絹のような柔らかな風合いと光沢が魅力です。また、原料は自然由来のため生分解性があり、SDGsの観点からもメリットがあります。

半合繊繊維の特徴1. 染色性が高く折り目加工がしやすい

半合繊繊維は染色性がよく、熱可塑性があるためプリーツのような加工がしやすくなります。熱可塑性とは熱を加えることで軟化するものの、冷えると形状が固定化する性質のことです。これらの特徴から単純な衣料品だけでなく、ファッション性の高い衣類の素材にも適しています。

半合成繊維の特徴2. 柔らかな質感と光沢が楽しめる

絹のような柔らかな風合いと上品な光沢があるため、和装やドレスのような華やかな衣装にも最適です。また、吸水性と放湿性に優れるため、汗をかいてもさらっとした肌ざわりが維持でき、保湿性もあるので肌を乾燥から守ることも可能です。これらの特徴から洋服の裏地としても利用できます。

半合成繊維の特徴3. 使った後は自然に還る

自然由来の繊維を使っているため、純粋な化学繊維と異なり「生分解」する点も特徴です。生分解とは、細菌類や微生物の働きにより、有機化合物が最終的には水と二酸化炭素(無機物)まで分解される仕組みです。半合成繊維は最終的に自然に還る特徴から、SDGsに取り組む上でも役立つ素材です。

3、半合合成繊維の種類について

半合合成繊維には植物由来のアセテートと、動物由来のプロミックスがあります。それぞれの特徴や違いを解説します。

アセテート

木材パルプ由来のセルロースに酢酸を反応させて作った繊維です。アセテートはさらに構造の違いから「アセテート」と「ジアセテート」「トリアセテート」に分類され、それぞれ特徴が若干異なります。なお、「トリアセテート」のように、化学的に処理されるほど耐熱性などが高まる反面、自然由来の特徴が失われてしまうこともあります。

アセテート系の繊維の注意点は以下のとおりです。

  • 耐熱性・耐久性が低い
  • 酸化窒素ガスで変色する
  • 除光液などで繊維が変化する

化学繊維とはいえデリケートな素材のため、丁寧に取り扱う必要があります。

プロミックス

牛乳由来のたんぱく質 ミルクカゼインとアクリル繊維を結合して作った繊維です。絹に似た繊維を目指して開発されたもので、風合いや特徴がよく似ています。似ているだけでなく、絹の欠点を克服した繊維でもあり、黄変や害虫に強い点もメリットです。以前はドレスやネクタイなどに利用されていたものの、国内での生産は既に中止されています。

絹同様デリケートな繊維のため、熱や摩擦に弱く、洗剤を使用して洗濯機などで洗うのも控えた方がよいでしょう。もし、プロミックス素材のドレスなどがある場合は、自分で洗濯せずクリーニングに出す方がおすすめです。

4、半合成繊維は合成繊維と自然繊維の利点を合わせ持った素材!

半合成繊維は自然由来の成分を化学的に処理して作る繊維です。そのため、化学繊維のように染色やプリーツ加工がしやすく、天然繊維のように吸水性・放湿性・保湿性に優れる点がメリットです。また、光沢のある見た目から高級感も演出できます。

しかし、熱や化学物質には弱くデリケート素材でもあります。これらの特徴を理解した上で、ブラウスや洋服の裏地など、適した衣類の生地として利用しましょう。

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