CASE STUDY
ORIGAMI
紙で作った糸 ORIGAMI
開発の背景
- 紙ならではのメリットを活かしたニットを作りたい
- その想いから紙素材を使用した糸の開発に至った
戦略や工夫した点
- パルプを利用する糸はコストが高いという課題がある
- 紙の持つ「中空多孔構造」という特徴を利用し製品価格を抑えた
市場の反応
- 超軽量でさらっとした着心地が評価されている
開発のきっかけ
紙素材は衣料としては馴染みが薄いですが、軽さやさらっとした爽やかな触り心地、優れた通気性など、紙ならではのメリットが多く、それらの特徴を活かしたニットを作りたいと思い、紙素材を使用した糸の開発に至りました。
開発に際して苦労したこと
糸にするまでの工程が最も大変でした。まずは紙を細く裁断し、その周りに長繊維を巻き付け、最後に強度を上げるカバリングという加工技術を用いて糸にします。材料となる紙の規格やカバリングに使用する糸の選定、出来上がった糸の強度や染色性、また生地にした際の風合い等、製品化までに長い月日をかけてさまざまな検証を重ねました。
商品のデビュー戦略・販促
パルプから製紙した紙を用いて作られる糸は、コストが高いという課題があります。
しかし、紙は網目構造の微孔を多数持つ「中空多孔構造」という特徴を持つため、生地にしたときの質量が綿のわずか3分の1ほどで、結果的に製品価格を抑えることができます。
市場への提案
ORIGAMIは非常に軽量かつ吸水速乾性や吸放湿性、消臭力などにも優れているため、靴下をはじめ、夏の衣服などにも最適です。また生分解性を持つため、サステナブル素材としても注目の素材です。
デビュー後の市場の反響
超軽量でさらっとした着心地から、ORIGAMIならではの紙繊維の魅力を感じていただけます。
今後の目標
紙素材は価格面や製造にかかる手間や時間などから、他の素材に比べて普及が遅れていますが、その機能性の高さや環境配慮の観点から、これからさらなる成長が期待できる素材です。
今後は、より多くの方々に紙繊維の魅力を知っていただけるよう普及活動していきます。
開発事例
弊社開発事例の一部をご紹介します。