撥水機能を持った糸を開発
開発のきっかけ
薬剤を生地の上から塗布するのではなく、糸自体に強力な撥水効果を付与した素材が欲しいという声を多くいただいたことがきっかけです。
開発に際して苦労したこと
撥水ロータスは、撥水効果を持つフッ素(C6)を糸の状態にした繊維に練り込むことによって出来た、高い撥水効果を持つ素材(糸)です。
フッ素を練り込んだ後に糸を染色し、その後170℃の高温で熱をかけること(キュアリング)で、糸の中からフッ素(C6)を表面に浮かび上がらせ、高い撥水効果を発揮するように設計されています。
その結果、お客様が指定した色の撥水糸が完成しました。
商品のデビュー戦略・販促
撥水ロータスを使用したTシャツを作成し、実際にお茶などをかけて実演しました。
製品の特長
撥水ロータスは糸の表面で水分をはじく特長を持つため、他の汚れの元になる物質も付着させにくいという効果(防汚効果)があります。
また、生地をフッ素加工すると表面が固くなるのに対し、撥水ロータスは糸自体にフッ素が練り込まれているため、生地の柔軟性や風合いが損なわれません。
また、生地ではなく糸自体に撥水機能を持たせているので、幅広い製品に対応することが可能です。
例えば、表面を撥水ロータス使いのメッシュにして、裏面に吸水性を持つ糸を使用すると、ダブルフェイスの仕様により汗とりパッドにもなります。
デビュー後の市場の反響
優れた洗濯耐久性を持つとともに、生地の表面に加工しているものと比較して洗濯時にフッ素が流出しにくいため、お客様からは地球環境に優しい素材だと好評をいただいております。
今後の目標
現在はポリエステルのみの展開ですが、今後は超撥水シリーズとして綿やレーヨン素材の開発を検討しています。
将来的には、フッ素を使用しない(非フッ素)撥水糸の開発が目標ですを研究中です。