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INNOVATION CASES

瞬間消臭する繊維

 

高速消臭機能を持つ繊維を開発

開発のきっかけ

従来の多くの消臭剤は、吸着性の高い物質に臭いの原因を取り込むことで消臭していました。
この方法は消臭するまでに時間がかかりますが、消臭力を計る公的機関のテストでは2時間後の成分濃度が検査基準だったので問題ありませんでした。

ところが、昨今スポーツアパレルを中心とした市場からアンモニアの高速消臭機能が求められるようになりました。
20分で70%以上の消臭効果を発揮することが合格基準になったことから、新しい消臭方法の開発が必要となり、取り組みを開始しました。

開発に際して苦労したこと

薬剤加工ではどうしても消臭に時間がかかるうえ、洗濯耐久性も低下してしまいます。
そこで原料である綿を改良することにより、悪臭の元を直接分解する方法を研究しました。
その結果、植物繊維の主成分であるセルロースにヒドロキシ基を結合させアンモニアやトリメチルアミンに反応させることで、臭いの物質を瞬時に捉え、無臭の物質に変換する機能を付与することに成功しました。
消臭効果を図るテストでは、5分後の測定でアンモニア減少率97%という良好なデータを得ることができました。

商品のデビュー戦略・販促

お客様の前で、悪臭の中で最も厄介なアンモニアにフェノールフタレインを加えた赤い試薬をスプレーし、消臭完了までの速さを色で可視化することで、従来品との違いを実感して頂きました。

市場への提案

市場調査を実施し、そこで得られた情報をもとに機能性重視のスポーツアパレル様へ販売していきます。

デビュー後の市場の反響

綿100%以外での高速消臭糸も開発して欲しいとの要望が多数寄せられたため、瞬間消臭する繊維のポリエステル/レーヨン混を開発し、発売しました。

今後の目標

生産コストを下げてポリュームゾーン(量販)へも販売をしていきたいと考えています。

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