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INNOVATION CASES

冷感性の高いポリエチレン

 

接触冷感性に優れたポリエチレン素材を開発

開発のきっかけ

熱伝導率と熱拡散率が高く、接触冷感性能に優れたポリエチレンを靴下用途に使用したいという声を多くいただいたことがきっかけです。

開発に際して苦労したこと

数々の素材の中でも非常に冷感性能が高いとされるポリエチレンは、高分子構造を持つのが特長で、分子同士の結合が強く生地にしたときの強度が高いため、防弾チョッキなどに採用されています。
大変高価な素材であることや、糸の強度が高すぎるために編機のカッターを痛めてしまう問題もあり、従来は衣料用途には不向きとされていました。
そこで意図的に分子結合を弱くした部分を作ることで、切創性を向上させることができました。

商品のデビュー戦略・販促

単体ではQ-MAX値は△T=20℃の条件下で0.416というかなり高い数値であるため、生地を触るだけでも他とは異なるレベルの冷たさを実感することができます。

市場への提案

アームカバーとして採用いただき、現在は衣服、寝具、マスクなどの提案も行っています。基本的には白、黒色のみの展開ですが、お客様よりその他カラーのご要望があった場合は、別注生産にて対応しています。

デビュー後の市場の反響

PE素材であることから染色が難しく基本的には原着(紡糸工程前の段階で着色剤を添加してつくられる原液着色繊維)での展開ですが、長繊維※1であることの特長を活かし、靴下の裏糸FTY※2を作成しました。

※1細長く連続したきわめて長い繊維のこと。通常,フィラメントと呼んでいる。
※2Filament Twisted Yarnフィラメント・ツイステッド・ヤーンの略。フィラメントをツイストしたヤーン(糸)のこと。この場合はポリウレタンを芯に冷感性の高いポリエチレンをカバリングした糸。

今後の目標

今後は、高い冷感性能を持ちつつ、コストを抑えた生地の開発を進めていきます。 また、現在のカラー対応は500kgs以上ですが、少量でも対応できる様に検討中です。

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