寒い季節に重宝されるニットは、フワフワな肌触りやぬくぬくとした温かさが魅力的で、コーデの主役となる日も多いでしょう。
しかし、時としてニットの「チクチク感」が不快で、せっかく購入したにもかかわらず、活躍する出番がなくなってしまうときもありますよね。
特に敏感肌の方は口コミで「チクチクする」というワードが書かれていないかをチェックする場合もあるのではないでしょうか?
そこで今回は、ニットのチクチクの原因と対策法をご紹介します。どのようにすればニットを着られるのか、ぜひ参考にしてくださいね!
ニットのチクチク感の原因は5つ!
はじめにニットがどうしてチクチクするのか、その原因となる5つの要素をご紹介します。
①繊維の特性
ニットのチクチク感の原因として最も多いのがウールなどの天然素材です。ウールは羊の毛から作られる素材で、保温性が高く、冬のニットに広く使用されます。
しかし、羊毛の繊維は太くて硬い部分があるため、その一部が皮膚に触れてチクチクとした刺激を感じることがあるのです。
特にウールの中でもラムウールやメリノウールといった種類は、繊維が細かく柔らかいものが多いのでチクチク感は減るでしょう。
しかし、ラムウールやメリノウールは一般的なウールよりも比較的高価になってしまうことを覚えておいてくださいね。
ウールか、そうでないかに限らず、一般的に30ミクロン以上の太い繊維が全体の5%以上使用されているものは、肌が違和感を覚えやすいようです
②繊維の品質
ニットのチクチク感は、単に素材の種類だけでなく、素材の品質にも大きく影響されます。
低品質のウールや化学繊維が混ざっている場合、繊維が肌に刺さるような感覚を生むことがあり、それがチクチク感をもたらす要因となります。
特に安価な製品では、ウールの品質が低いものが多く、チクチク感を覚えやすいでしょう。
③繊維の加工方法や仕上げ
ニットの繊維がチクチクする原因の一つとしては、加工方法や仕上げの問題も挙げられます。
例えば仕上げが不十分な場合、繊維がまだ硬く、肌に刺さる感覚が残ってしまうことがあります。
また、加工時に使われる化学薬品が残留していることが原因でチクチクしてしまい、肌トラブルを引き起こしてしまうこともあるためご注意くださいね。
④皮膚の乾燥
チクチクの原因は生地の他に皮膚の乾燥も考えられます。
肌が乾燥していると、刺激を感じやすいので、乳液やクリームなど油分の入ったもので保湿し、刺激から保護するチクチク感も軽減されるでしょう。
逆に汗などで肌の表面が濡れてしまうのも、刺激を感じやすくなる要因となります。
⑤ラノリンアレルギー
また、特殊なものでは「ラノリンアレルギー」も考えられます。
ラノリンとはもともとの原毛に付着している羊の脂肪質の分泌物なのですが毛を柔らかくする一方で撥水効果もあるため、より保温性・防寒性を高めます。
特に寒い地方で生産される伝統的なウール100%のハンドニット(手編み)などは原毛からラノリンを脱脂しないまま編み上げたり、
適度にラノリンが残るようハンドウォッシュで仕上げたりする場合も。
ラノリンはあまり聞いた事がない成分かもしれません。
しかし保湿効果に優れているため、スキンケアや化粧品の原料として使用されているものもあり、私たちの身近な製品に含まれているんですよ。
パッチテスト(腕の柔らかい部分に少量薄く塗って皮膚反応を確かめるもの)を行って、アレルギー反応が出るか確かめることもできますが、くわしく調べたい方は皮膚科で検査してみてくださいね。
ラノリンアレルギーの可能性がある場合は、何度か洗濯を繰り返すことでラノリンを落とすことも可能です(洗い方は下記参照)。
▶「洗えるニット」はどう洗えばいい?洗濯表示で洗い方を見極めよう!
手洗いでお洗濯をした場合は、しっかりすすいで下さいね。
ニットのチクチク感を和らげる対策法
もし購入したニットがチクチクする場合、着ることを諦めなくても大丈夫!
ここから、自宅でも簡単にできるニットのチクチクを和らげる対策法をいくつかご紹介します。
インナーを着る
簡単な方法としては、チクチクするニットの下にインナーを着用することが挙げられます。
肌に直接ニットが触れることを避けるために、コットンやシルクなどの柔らかく肌にやさしい素材のインナーを着用することでチクチク感を大幅に軽減されるでしょう。
また、インナーを着ることはニットを長持ちさせることにもつながり、肌トラブルも避けやすくなります。
インナーは特に襟元や袖口など、ニットが直接肌に触れやすい部分をカバーできるものを選ぶようにしましょう。
さらに、タートルネックや長袖のインナーを選べば、寒い季節にも暖かく快適に過ごすことができますよ。
柔軟剤やコンディショナーを使用する
ニットを柔軟剤やヘアコンディショナーで洗うことで、繊維を柔らかくし、チクチク感を抑えることもできます!
ウールなどの天然素材は洗う際に縮みやすいのですが、正しい洗濯方法でケアすれば、繊維がより柔らかくなり、肌への刺激を軽減することができます。
洗う際には、まずニットを手洗いし、ぬるま湯に柔軟剤を溶かして浸け込みます。これにより繊維がコーティングされ、肌触りが滑らかになります。
柔軟剤のほかには、アコンディショナーもおすすめです。
ヘアコンディショナーを使うことで、毛糸の柔軟性を高めることができるため、ニットがチクチクしなくなる効果が期待できるでしょう。
乾燥機を使わない
ニットを洗濯後、乾燥機にかけると繊維が縮んで硬くなり、チクチク感が増す可能性があります。そのため、ニットはできるだけ自然乾燥させましょう。
特にウール製品は、平らな場所に広げて乾燥させること(平干し)で、繊維が元の柔らかさを保ちやすくなります。
また乾燥機の使用を避けて風通しの良い場所で乾燥させることは、ニットの質感や形状を維持し、寿命も伸ばすことにもつながりますよ!
チクチクしないニットの選び方
できることなら買ってから後悔するより、買う前にチクチクするか判断したいですよね。
チクチク感を避けたい場合は、購入する前にこれからご紹介するポイントに気を付けてみてください。
繊維の太さを確認する
先ほども触れたとおり、ニットのチクチク感は繊維の太さが関係しています。一般的に、繊維が太くなるほどチクチク感が増します。
ニットを選ぶ際には、商品のラベルを確認し、繊維の太さをチェックすることが重要!
特に、18.5ミクロン以下の繊維は非常に細かく柔らかいため、敏感肌の人でも快適に着用することができますよ。
タグで素材を確認する
ニット製品を購入する際には、必ずタグでどんな素材が使用されているかを確認しましょう。
ウール100%の製品はチクチク感が強い場合があるため、シルクやカシミヤなどの混紡素材や、アクリルやポリエステルなどの化学繊維が混ざっているニットを選ぶことで、肌への刺激を軽減できます。
なぜウール100%はチクチク感を覚えやすいのでしょうか?
ウールの繊維は16~50ミクロン程なので、触ってみて固くてゴワゴワしているものはチクチクを感じやすいのです。
試着して肌触りを確認する
ニットを購入する際には試着をして実際の肌触りを確認することが大切です。
見た目では柔らかそうなニットでも、実際に着用してみるとチクチクを感じることも・・・。
特に首回りや腕の内側など、チクチク感を覚えやすい部分に違和感がないかを確認することで、失敗のない買い物ができるでしょう。
まとめ
ニットがチクチクする原因と対策法をいくつかご紹介しました。
もしすでにチクチクするニットが手元にある場合は、今回ご紹介した対策法を試してみてくださいね!
ストレスを感じることなく、寒い季節を乗り切れますように。