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洋服づくりにおすすめな生地は?

お役立ち情報 天然繊維化学繊維
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洋服づくりにおすすめな生地は?

洋服を作るときは繊維の性質を確認し、用途に合った生地を選ぶと、手作りした洋服を長く愛用できるでしょう。

本記事では、洋服づくりにおすすめの生地と、それぞれの生地の注意点、適した用途を解説します。

1、洋服づくりにおすすめの生地をご紹介!

洋服に使われる生地の繊維には「天然繊維」と「化学繊維」の2種類があります。それぞれ、特徴や風合いが異なるため、作りたい洋服の雰囲気や機能に合わせて選ぶとよいでしょう。

天然繊維

天然繊維は植物を原料とした「植物繊維」と、動物の毛などを使った「動物繊維」に分けられます。吸水性・通気性・保温性に優れるものが多く、あたたかな風合いが特徴です。また、天然素材のため、敏感肌の方でも利用しやすい生地でもあります。

コットン(綿)

「ワタ」という植物の実(コットンフラワー)を糸状にして織ったものがコットン生地です。繊維の中に空洞のある「中空繊維」のため、通気性と保温性どちらの性質もあり、一年中快適な服作りに役立ちます。また、丈夫でありながら肌ざわりがよく、肌に優しい性質からインナー素材にも適しています。

ただし、洗濯後は縮みやすく、乾きづらいためカビに注意しましょう。さらに、色落ち・色移りもしやすいので、濃い染色のものは使ううちに色褪せる恐れがあります。

ウール(毛)

主に羊毛を原料とした繊維をウールと呼びますが、カシミヤヤギの毛を使った「カシミヤ」や、ウサギの毛を使った「アンゴラ」もウールの一種です。ウールは、動物の毛の長さや飼育環境によって風合いが異なる点も特徴です。

なお、動物の種類を問わず、ウールは保温性・吸湿性に優れ、伸縮性もあるため厚手の洋服でも着やすくなります。これらの特徴から寒さの厳しいシーズンの衣服でも活躍します。

注意点としては、摩擦に弱く毛羽立ちや毛玉が生じやすい点です。また、伸縮性があるため洗濯の仕方を間違えると、縮みや伸びが生じてしまいます。動物性たんぱく質でできているため、虫に食われやすい点にも注意しましょう。

化学繊維

化学繊維とは製造過程で化学的処理を施し、人工的に作った繊維です。防水加工など天然繊維にはない機能を追加できるため、洋服の機能を向上できる点がメリットです。また、安価でありながら生地のカラーバリエーションも豊富で大量生産にも向いています。

レーヨン

木材パルプを薬品などで一度溶解して作る再生繊維の一種です。日本語では「人絹(じんけん)」と呼ばれるとおり、絹の代替繊維として開発されました。上品な光沢があるだけでなく、滑らかで気持ちの良い肌ざわりも絹とよく似ています。使った後は微生物により分解される生分解性を備える点も特徴です。

なお、レーヨンはデリケートな生地のため、摩擦に弱く、洗濯すると縮む恐れがあります。また、しわが付きやすいものの熱に弱く、アイロンがけをする際も注意が必要です。これらの特徴から単独で使うなら、シャツやブラウスなどの生地に適しています。

ナイロン

石油を原料とした合成繊維です。当初は絹の代用品として開発され、女性用ストッキングに使われていました。しかし、耐久性の高さから現在ではアウトドア製品や雨具など多くのシーンで利用されています。

ナイロンは軽くて頑丈で、水・油・薬品などへの耐久性にも優れる素材です。その上扱いやすいため、アウターやスポーツウェアにも適しています。

ただし、天然素材を含まないため吸水性が低く、静電気が発生しやすい点がデメリットです。また、熱には弱く高温でアイロンをかけると溶けてしまいます。

2、洋服の素材に関する質問

洋服の素材を選ぶときは風合いだけでなく、それぞれ扱う上での注意点や適した衣類も事前に確認すると、より理想の洋服作りに役立つでしょう。ここでは、素材別の注意点と適した用途を解説します。

質問1. 生地別の注意点を教えてください。

それぞれの素材の注意点は以下のとおりです。

生地 注意点
コットン 縮みやすい、しわになりやすい、色移り・色褪せしやすい、乾きづらい。
ウール 縮みやすい、毛玉になりやすい、虫に食われやすい、フェルト化しやすい。
レーヨン 縮みやすい、しわになりやすい、熱に弱い。
ナイロン 熱に弱い、静電気が起きやすい、黄変しやすい。

質問2. それぞれの生地に適した洋服を教えてください。

単体生地では以下のとおりです。混紡生地を使うとより、洋服作りの幅を広げられます。

生地 洋服
コットン Tシャツ、ワンピース、インナー、ベビー服、パジャマ
ウール カーディガン、コート、ジャケット、スカート、ワンピース
レーヨン シャツ・ブラウス、パジャマ、ワンピース
ナイロン アウター、パンツ、作業着、ポロシャツ、スポーツウェア、アウトドアウェア

3、生地の特徴を理解すれば洋服づくりをもっと楽しめる!

洋服の生地は大きく「天然繊維」と「化学繊維」に分けられます。天然繊維は風合いや肌ざわりがよく、化学繊維は安価で丈夫なものが多いなど、それぞれ特徴が異なります。

洋服を作る際は、色や柄だけでなく、それぞれの生地の持つ特徴も理解すると、より洋服づくりを楽しめるでしょう。また、単体の生地は欠点も生まれやすくなります。扱いやすい生地を探すなら、天然繊維と化学繊維を混紡したものもおすすめです。

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