合成繊維って何?
あまり聞かれたことない方も多いかもしれませんが、 私達の身近な所に存在する素材です。
今回は、合成繊維の特徴や種類、また天然繊維や化学繊維とはどのような違いや関係があるか、調べてみました。
1、合成繊維とは
簡単にいえば、化学繊維のひとつで、石油・石炭・空気・水・食塩を原料とした繊維です。
天然素材との違いとして、強度や耐水性等の良さがある面がメリットで、吸湿性や耐染色性などがデメリットに挙げられます。
※化学繊維・・・化学的処理を行った繊維。人造繊維とも呼ばれている。
2、合成繊維の特徴は?
天然繊維と比べて、高い伸縮性はあるが、吸湿性があまりないのが主な特徴です。 その他下記メリットの一例です。
- しわになりにくい
- 洗濯しやすい
- 乾きが早い
- 染色性が良く、カラー展開が豊富である
- 価格が手頃である
合成繊維の特徴として、様々ありますが、より特徴のある3点を挙げていきたいと思います。
合成繊維の特徴①
天然繊維と比べて、強度に優れている繊維であることが特徴です。
摩耗や引き裂きや引っ張りに対する強さもあります。
また、耐水性や耐薬品性、防かび性などにも優れていて、天然繊維より優れている特徴が沢山あります。
合成繊維の特徴②
天然繊維より優れている部分が多々ある一方で、劣る部分もあります。
特に吸水性に対してはほとんど無く、染色性の悪いものもあります。
また、静電気を帯びやすいのもデメリットです。
合成繊維の特徴③
リサイクルが可能です。
ポリエステルやナイロンについて、リサイクルされることが多く、環境にやさしい繊維です。
3、合成繊維の種類について
合成繊維には、特徴的な種類が何種類かありますが、今回はその中から、代表的な3種類を紹介させていただきます。
ポリエステル
ポリエステルは、世界で沢山使われていて、生産量ももっとも多いと言われています。
ポリエステル糸または繊維を使用して作られます。全布地または織物の一般的な用語です。 これは、合成の人工ポリマーの短縮名であり、特定の材料として、最も一般的にはポリエチレンテレフタレート(PET)があげられます。 エチレングリコールとテレフタル酸を混合して作られています。簡単に一言でいえば、ポリエステルはプラスチックの一種です。用途としては、衣服や靴、シーツ・カーテン等のインテリア等ファブリック製品に多く使われています。
ポリエステルの素材独特の性能により、メリットデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
耐久性がある | 静電気が起きやすい |
強度に優れる | 毛玉ができやすい |
弾力性がある | |
日常利用の範囲では、熱にも強い部類 | |
シワができにくい |
ナイロン(ポリアミド)
合成繊維としては、2番目の生産量で、世界で初めて生産された、合成繊維です。ナイロンとは、主に石油を原料とする「ポリアミド」とよばれる合成樹脂から作られた繊維のことをいいます。
摩耗や摩擦に強く、耐薬品性にも優れているナイロン素材。 耐久性の高さや軽さなどの機能面とあわせて、合成繊維でありながら染色しやすいという特性も持つため、衣料品を中心に幅広く活躍している素材です。比較対象となることが多いポリエステルに比べると吸水性が高く、繰り返し変形に強いという無類の強度を持ちます。
ナイロンは繊維自体に伸縮性があり、伸度はポリエステルよりも優れているのが特徴です。 ナイロンには沢山の種類があります。主な用途としては、レイングッズやアウター、スポーツウェア、バッグやストッキングなどからカーペット等のインテリア用品、楽器の弦等幅広く使われています。
ナイロンの素材独特の性能により、メリットデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
接触冷感機能を持つものが多く他の生地より冷感性が高い | 熱に弱い |
耐摩耗性がある | 長期間経つと変色しやすい |
吸水性が低いので、すぐ乾く | 吸湿性が低い |
弾力性がある | |
耐熱性が良い | |
シワができにくい | |
発色性に優れる | |
カビや害虫被害を受けにくいため保管しやすい |
アクリル
一番ウールに近い触り心地であるアクリルは、セーターによく使われている素材です。
化繊であるため、繊維形状には扁平な断面のものからハート形状のものまで各種存在します。断面がハート形状のアクリル繊維は、繊維側面にひとつの筋が通っているように見えます。フィラメント糸(長繊維)も製造可能ですが、ステープル(短繊維)としての利用が多い繊維です。かさ高性、バルキー性ともいわれるふんわり感を出すことが可能な繊維であるため、短繊維を加工した紡績糸が多く作られています。
アクリルの素材独特の性能により、メリットデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
しわができにくい | 静電気や毛玉が発生しやすい |
ふわふわで柔らかい | 汗でべたつきやすい |
耐熱性が良い | 吸湿性が劣っている |
発色性に優れる | |
カビや害虫被害を受けにくいため保管しやすい |
4、まとめ
合成繊維には、様々な特徴があり、使用方法や、他の繊維と組み合わせることによって、より幅広い用途で活用できます。 開発が進むことによって、さらに合成繊維の良さが皆さんに伝わるかもしれませんね。